Claude Code 初心者向け講座
はじめの一歩 10 モジュール
Claude Desktop の Code タブに初めて触る人向け。環境構築ゼロ、ターミナル・git の知識不要。自然言語で Claude に指示して、15–25 分ずつ、合計 3–4 時間で "業務で週 1 回使う経営者" になる。
この講座の読み方
全 10 モジュール、1 モジュールあたり 15〜25 分。一気に完走しようとせず、1 日 1〜2 モジュールくらいのペースで手を動かすことを勧める。最後の Module 10 で、あなた自身の実務を 1 件だけ Claude に投げてみる — そこまで到達すれば、この講座の目的は達成だ。
前提知識は一切不要。ターミナルを開く必要も、git コマンドを覚える必要もない。Claude Desktop アプリと、書き込める空のフォルダが 1 つあればよい。プランは Pro でも動くが、レート制限に頻繁に当たるなら Max を推奨する。
Module 1 · Claude Desktop を開いて Code タブを認識する
🎯 ゴール
Claude Desktop を起動し、Chat タブと Code タブの違いを目で識別できる状態になる。
📖 内容
- Claude Desktop アプリを起動する (未インストールなら
claude.ai/downloadから入手) - サインインし、プラン (Pro または Max) を確認する — 左下のアカウントメニューから
- 画面上部またはサイドバーに並ぶ Chat タブと Code タブを確認する
- Code タブを開き、各エリアを指差しで確認する:
- Parallel Sessions (サイドバー、複数セッションが並ぶ)
- Prompt 入力欄 (画面下の大きな入力エリア)
- Visual Diff ペイン (変更前後を比較する場所)
- Terminal ペイン (Cmd+` / Ctrl+` で開閉)
- Preview ペイン (HTML や画像を見る場所)
- Chat タブが「単なる会話」、Code タブが「ファイルを作る・編集する対話」であることを体感する
💬 試すプロンプト
こんにちは。今日から Claude Code を学びます。まず、今このセッションで Claude ができることを箇条書きで 5 つ教えてください。
✅ チェックポイント
Code タブが開けて、Claude から日本語の応答が返ってきた。Parallel Sessions / Prompt / Visual Diff / Terminal / Preview の 5 エリアを指差しで示せる。
💡 ワンポイント
Free プランでは Code タブは使えない。Pro プラン (月 $20) が最低ライン、業務利用なら Max (月 $100〜) が推奨。サインイン後にタブが見えない場合は、アプリを再起動するとほぼ解決する。
Module 2 · 空フォルダで "Hello World" HTML を生成
🎯 ゴール
Claude に自然言語で指示して HTML ファイルを 1 つ作らせ、ブラウザで表示する体験をする。
📖 内容
- Finder (macOS) / エクスプローラー (Windows) で Desktop 上に空フォルダ
claude-practiceを作る (ホームディレクトリ直下でも可) - Claude Code タブの Open folder ボタンから、今作った空フォルダを選択する
- プロンプトを送り、生成された
hello.htmlを確認する - Finder から
hello.htmlをダブルクリックしてブラウザで開く - Visual Diff ペインに「新規ファイル追加」の緑の表示が出ていることを見る (まだ承認/却下はしなくてよい、自動承認になっている場合もある)
💬 試すプロンプト
hello.html を作って、'Hello, World' と h1 で表示するシンプルなページにして。背景色は白、文字は中央寄せでお願いします。
✅ チェックポイント
ブラウザで "Hello, World" と大きく表示された HTML ページが見えた。フォルダに hello.html ファイルが実在することを Finder で確認できた。
💡 ワンポイント
Claude に渡すフォルダは空であることが初心者に最適。既存ファイルがあると、Claude が空気を読んで意図しない変更をすることがある。「新しい学習用フォルダ」を毎回作る感覚でよい。
Module 3 · Plan mode を使って "先に計画を見る"
🎯 ゴール
Claude が「何を作るか」を先に提示する体験をする。承認してから実行する流れを身につける。
📖 内容
- Plan mode のトグル (Prompt 欄の近く、または Shift+Tab キーで切り替わる) を ON にする
- Module 2 と同じフォルダで、次のプロンプトを投げる
- Claude が「計画だけ」を返し、ファイルにはまだ触っていないことを確認する
- 計画の内容を読む。良ければ Approve、直したい点があれば「ナビをもう少し派手に」などフィードバックして再計画
- Approve 後、初めてファイルが生成される
💬 試すプロンプト
この同じページを 3 ページ構成にして、トップ / About / お問い合わせ に分けて。共通のナビゲーションバーも作って、各ページ間を行き来できるようにしてください。デザインはシンプルで落ち着いた配色で。
✅ チェックポイント
Claude が「計画」を文章で提示し、自分が Approve を押した後で初めてファイルが作られる、という流れを体感できた。3 ページの HTML が生成され、ナビからページ遷移できる。
💡 ワンポイント
Plan mode は「大きい変更ほどオンにする」と使いやすい。小さな修正 (文字直し等) は Plan mode オフでよい。経営層の業務では、原則オンにして、計画を読む癖をつけるのを推奨。
Module 4 · Visual diff で変更を確認する
🎯 ゴール
変更前後を Visual Diff で目視確認し、Accept / Reject で取捨選択する感覚をつかむ。
📖 内容
- Module 3 で作ったトップページを対象に、以下のプロンプトを投げる
- Visual Diff ペインを見る: 緑 = 追加行、赤 = 削除行
- 変更内容を 1 行ずつ読む。気に入らない箇所があれば個別に Reject、全体 OK なら Accept
- ブラウザで
index.htmlをリロードし、見た目が変わったことを確認する
💬 試すプロンプト
トップページの h1 を '私のサイト' に変更して。背景色もウォームトーン (ベージュか淡いオレンジ) に変えてください。
✅ チェックポイント
Visual Diff で「ここが変わる」を変更前に確認できた。Accept / Reject を自分の意思で選び、結果をブラウザで確認できた。
💡 ワンポイント
Accept / Reject を迷ったら 一度 Reject してプロンプトを直すのが正解。中途半端に Accept すると、後から戻すのが面倒になる。元に戻したいときは git が使えると便利だが、本講座では不要 — 困ったらフォルダごと削除して Module 2 から作り直してよい。
Module 5 · Markdown で議事録要約に挑戦
🎯 ゴール
生の会議メモを、構造化された Markdown に整えさせる。経営業務で最も即戦力になるパターンを体験する。
📖 内容
- 新しい空フォルダ
claude-practice-memoを作り、Code タブで Open folder - 以下のプロンプトを、実際の会議メモ (箇条書きの乱雑なメモ) を貼り付けて送る
- Claude が生成した
summary.mdを Code タブの Preview またはファイルエディタで開く - Markdown の構造を観察する: h2 見出し、箇条書き、強調、必要なら表
- 気に入らなければ「もう少し簡潔に」「決定事項と TODO を分けて」等で反復
💬 試すプロンプト
以下の会議メモを整理して summary.md に書いてください。 構成は (1) 決定事項、(2) アクションアイテム (担当者・期限つき)、(3) 次回までの論点、の 3 セクションで。 [ここに会議メモの本文を貼り付け]
✅ チェックポイント
生の議事メモが、読み返しやすい Markdown 議事録になった。決定事項と TODO が分離され、誰が何をいつまでにやるかが明確になっている。
💡 ワンポイント
実務応用: 社内の週次定例の後、自分で同じことを 1 回やってみる。初回は 30 分かかっても、3 回目には 5 分で済むようになる。これが Claude を業務に組み込む 最初の実感になる。
Module 6 · エラーが出たときの自己修復を観察
🎯 ゴール
Claude が「失敗 → 原因特定 → 修正」を自分で回す様子を観察し、エラーに動揺しなくなる。
📖 内容
- 新しい空フォルダ
claude-practice-pythonで Open folder - 最初のプロンプトで、シンプルな Python スクリプトを作らせる
- 次のプロンプトで、わざと失敗させる: 「存在しないライブラリを import して実行してみて」
- Terminal ペインに実行結果が出る。エラーが表示される
- Claude が自発的に「このライブラリはないので、別の方法を試します」と修復するのを観察
- 最終的に動くコードに収束することを確認
💬 試すプロンプト
Python で、カレントディレクトリ内の .txt ファイル一覧を出力するスクリプト list_txt.py を作ってください。 (実行後、次のプロンプト) 試しに、ないモジュール 'super_nonexistent_lib' を import する行を一時的に追加して、実行してみて。エラーが出たら、その原因を説明してから修復してください。
✅ チェックポイント
エラー → Claude が原因を説明 → コードを修正 → 再実行で動く、という一連のサイクルを観察できた。「Claude が失敗する = 異常事態」ではないという感覚がついた。
💡 ワンポイント
初心者の 9 割は、最初のエラーで「壊れた」と思って止まる。実際は、エラーは Claude にとって情報源でしかない。動揺せずにもう 1 回プロンプトを投げると、自力で直ることが多い。
Module 7 · .gitignore の正しい作り方
🎯 ゴール
API キーなど「絶対に外に出してはいけないファイル」を除外する .gitignore を Claude に作らせ、なぜ必要かを理解する。
📖 内容
- これまでの練習フォルダのどれかで、以下のプロンプトを投げる
- Claude が
.gitignoreファイルを生成する。中身を開いて、何が除外対象になっているかを読む - 「なぜ .env を除外するのか」を Claude に聞いて、API キー漏洩リスクを理解する
- 動作確認のコマンドを Claude に教わる (
git check-ignore等) — ここでは実行しなくてよい、「聞けば教えてくれる」感覚が重要
💬 試すプロンプト
このフォルダに .gitignore を作ってください。除外したいのは .env ファイル、.DS_Store、node_modules、__pycache__ です。 (続けて) なぜ .env ファイルを .gitignore で除外する必要があるのか、API キーとの関係を踏まえて 3 行で説明してください。
✅ チェックポイント
.gitignore ファイルが作られた。.env を除外する理由を自分の言葉で説明できるようになった。
💡 ワンポイント
API キーの管理は、経営者がチームに AI 導入するときに最も事故りやすいポイント。詳しくは deep-api-keys のページで学べる。この段階では「.env は Git に入れない」だけ覚えていれば十分。
Module 8 · 簡単な Python スクリプトを書かせる
🎯 ゴール
自分が書けないコードを、自然言語の指示だけで動かす。業務データ処理の「やらせ方」の型を覚える。
📖 内容
- 練習フォルダで、まずダミー CSV データを Claude に作らせる
- 次に、その CSV を読んで集計する Python スクリプトを書かせる
- Terminal ペインで Claude が実行し、結果が表示される
- 列名を変えたり、集計対象を変えたりして反復する
💬 試すプロンプト
まず、sales.csv のダミーデータを 10 行生成してください。列は date, product, amount の 3 つで、amount は 1000〜50000 の範囲でランダムに。 (続けて) sales.csv を読んで、amount 列の合計を出力する Python スクリプト sum_sales.py を作って、実行してください。結果を教えてください。
✅ チェックポイント
自分が 1 行も Python を書かずに、CSV 集計プログラムが動いて合計金額が出力された。「コードを書けなくても Claude にやらせられる」という実感を持った。
💡 ワンポイント
実際の業務データ (売上 CSV、アンケート結果、メンバーリスト等) を触らせるときは、個人情報・機密情報を含む場合は注意。最初は必ずダミーデータで動作確認してから本物を流すこと。
Module 9 · Web リサーチをやらせてみる
🎯 ゴール
Claude に外部データ (Web) を取りに行かせる。MCP という仕組みの存在を知る。
📖 内容
- MCP とは: Claude が外部データソース (Web、Slack、Google Drive 等) に繋ぐための標準。今回は Web 検索を試す
- Settings → Extensions で MCP Fetch server (または Web 検索系の extension) が有効か確認する。なければ、そのまま Claude に「Web 検索ができるようにしたい」と聞くと設定手順を教えてくれる
- 以下のプロンプトを投げる
- Claude が Web を検索して、最新情報の要約を返してくれる
- うまくいかなければ、Claude にそのエラーをそのまま貼って聞くと、次の手を提案してくれる
💬 試すプロンプト
最近 (直近 1 週間) の AI 業界ニュースを 3 つピックアップして、各 1 段落で要約してください。出典 URL も併記してください。 (もし Web 検索が動かない場合) Web 検索機能を有効化するには、どの MCP server を設定すればいいですか? Claude Desktop の Settings 画面のどこから設定しますか? 手順を教えてください。
✅ チェックポイント
Claude が外の世界から情報を取ってきて、要約して返してくれた。「Claude は閉じた箱ではない」という実感。
💡 ワンポイント
MCP の詳しい仕組みは中級講座で扱う。ここでは「外部ツールとの接続点」という単語だけ覚えておけばよい。より深く知りたければ deep-mcp を参照。
Module 10 · 自分の業務で 1 件試す
🎯 ゴール
自分の実務から 1 件ピックアップし、Claude に投げてみる。「自分の業務で Claude に振れる仕事」を 1 つ見つける。
📖 内容
- 以下の候補から、自分の直近 1 週間で発生した実務を 1 つ選ぶ:
- 経営資料 (取締役会資料、事業計画) の草案作成
- 議事録整理 (録音テキストや箇条書きメモから)
- メール下書き (社外向け謝罪文、社内向け方針通達)
- 予算表のチェック (Excel/CSV を貼って異常値検出)
- 業界動向リサーチ (競合他社の最新ニュース要約)
- Claude Code タブで、新しい空フォルダ
claude-real-work-YYYYMMDDを作って Open folder - 「失敗しても OK」の気持ちで、自然言語でそのタスクを投げる
- 結果を Markdown ファイル
result.mdにメモする: 何をやらせたか、何が良かったか、何が不満だったか
💬 試すプロンプト (例: 取締役会の冒頭メッセージを書かせる場合)
来週の取締役会で、CEO として冒頭 3 分のメッセージを読み上げます。 トピックは以下の 3 点: (1) 今四半期の業績ハイライト (売上前年比 +12%、想定内) (2) 新規事業 X の進捗 (想定より 2 週間遅延、原因はチーム人員不足) (3) 次四半期の最重要テーマ (コスト構造の見直し) トーンは「事実を正直に、前向きに」。原稿を 3 案作ってください。各案、読み上げて 3 分前後になる長さで。
✅ チェックポイント
自分の実務タスクを 1 件、Claude に投げて結果を得た。「これなら週 1 回使えそう」と思える用途が 1 つ見つかった。
💡 ワンポイント
ここで「Claude のアウトプットがイマイチだった」と感じても正解。人間の推敲が 20% 乗って、初めて使える成果物になるのが AI 活用の現実的な姿。Claude が 100 点を出すのを待つのではなく、Claude の 80 点に自分の 20 点を乗せる感覚で使う。
Next Steps
10 モジュールを完走したあなたは、既に同年代の経営層の中では上位 10% の Claude 使いだ。次のステップは 2 つ。
1. 中級者向け講座に進む
course-intermediate.html では以下を扱う:
- CLAUDE.md の書き方: プロジェクト固有のルールを Claude に覚えさせる
- MCP の実践導入: GitHub、Slack、Google Drive、Notion 連携
- Skills (Agent Skills): 再利用可能な専門タスクを定義する
- チーム運用: 部下・アシスタントへの引き継ぎ、権限管理、監査
2. 迷ったら読むページ
- glossary.html — 用語が分からなくなったらまずここ。Claude / MCP / CLAUDE.md / Skills / Routines 等の用語を 1 行で説明
- deep-code.html — Claude Code Desktop の全機能を徹底解説。今回触れなかった Parallel Sessions や Routines もここで
- deep-api-keys.html — API キー管理の事故を防ぐ。Module 7 の .gitignore で触れた話の続き
- Use Claude Code Desktop — Claude Code Docs — Desktop 版公式マニュアル
- Get started with the desktop app — 初期セットアップ手順
- Claude Support Center — プラン、サインイン、アカウント管理
- Claude pricing and plans — Free / Pro / Max / Team / Enterprise 価格
- deep-code.html — Claude Code Desktop 機能の徹底解説 (社内)
- deep-api-keys.html — API キー管理と .gitignore の詳解 (社内)
- glossary.html — 用語集 (社内)